大人少年の趣味日記

趣味で遊んでいることを綴っています。

映画噺「神在月のこども」あなたの好きは……

 先月公開の映画ですが、「神在月のこども」の感想です。色々あり感想記事を書けてなかったので1月前の記憶を探りながら書いています。

 

 あらすじ

 母を失ったことで走ることが嫌いになった女の子「葉山カンナ」母を失ってから1年後のマラソン大会で今まで我慢していた気持ちが爆発してしまう。その後向かった先の神社でカンナを敵対視している鬼が現れる。その結果、自分の母親「葉山弥生」が韋駄天であったということを知り、自身も韋駄天の末裔ということを知る。韋駄天の末裔の役目を全うすることで母に会える可能性があると聞き、母に会いたいその思いで出雲へ向かうのだった。

 

 感想

 はっきり言ってしまえば、パンフレットは買いませんでした。とはいえ駄作ではありません。5点満点の3点、10点満点の5点といったところです。というのも主人公達が良くも悪くも「12歳」として上手く描かれていたのです。その点がこの作品の良かったところであり悪く見られるところだと思います。私はそれが良かったと感じましたが。

 

 この映画のメインターゲットは登場人物と同じ12歳あたりの少年少女かと。そのため物語は分かりやすくなっています。逆に大人が見れば単調と思われるかもしれません。伝えたいメッセージを伝える、そのことを主眼に置いた脚本ではないでしょうか。 この映画が伝えたいメッセージとは何か。それは

 

「あなたの好きを信じていますか」


 主人公は子供の頃から好きだった走ること。それをお母さんの死を持って好きといえなくなってしまいました。その好きだってことを物語の終盤で気がつくのです。そうやって好きなものに気がついた時に彼女は少し大人になることができました。

 

 今生きて働いている人の中で子供の頃から好きだったものを胸を張って言えるかたはどれぐらいいるのでしょうか。忙しかったり世間の目を気にしたりして好きと言えなくなっている人が多いのではないですか。しかし、環境の変化や年をとっただけで好きだったものが嫌いになるのはおかしくないですか。子供の頃あんなに好きなものに囲まれてキラキラ輝いていたのに。大人になるというだけで好きなものがわからなくなる。そんな寂しいことを言っていませんか?

 

 生きていれば多くの縁と結ばれていきます。人と人。だけでなく物とだって縁は結ばれます。多くの人や物と縁が結ばれては切れていく。そうやって私達は生きていくのです。そして縁とは神在月に神様が会議によって決めるほど自然と結ばれにくい物です。

 

 好きなものは好きだという。そうやって縁を大切にすることが生きる上で大事なことではないでしょうか。